ハイライフ歯科医師知っ得コラム
はいから読売新聞折り込み

総入れ歯の寿命

新しい入れ歯は何年くらいもつのか、とよく患者さんから聞かれます。

 100万円以上する車も10年も乗ればガタがでますから、毎日使う総入れ歯にもガタがでて、いずれ使えなくなるのも当然です。

 一概には言えませんが、3~5年ほど経つと作り変える方が多いように感じます。ピッタリ合った状態を保つにはもっと短期間でしょうか。

 顎の骨は日々作り変えられ形は変化していくのに対して、入れ歯の形に変化はありません。歯茎と入れ歯の間の隙間が広くなり、物が詰まり易くなってくるのはこのためです。

 最初はピッタリとご自身のお口に合っていた入れ歯が、年数が経つと徐々に緩くなってくる。というようなご経験があるのではないでしょうか?

 合わなくなった入れ歯を我慢して使い続けることによって、どうなると思いますか?

 真っ先に思いつくのは、「痛くなる」ということ。痛みが発生したとき、我慢してしまいますか? 痛みを生じている部分は合わなくなった入れ歯によって無理な力が加えられている部分です。その部分に硬い入れ歯が長期間あたって痛みを感じているにも関わらず、我慢をして過ごされている患者さまの中には、歯茎がやせ細ってくる方が多く見られます。硬い入れ歯によって、歯茎に過度な負担をかけすぎたり、逆に全く刺激が伝わらなかったりすることが、歯茎の骨がどんどんやせ細ってしまう原因のひとつだと言われています。そのために顎の骨の吸収が異常に進んでしまうことがあります。とても恐ろしい事ではないでしょうか。

 『顎の骨の形の変化に合わせて入れ歯の形も変化する』

 そんな夢の様な技術は残念ながらまだありませんが、近いところまできている技術はあります。

 入れ歯の内面に生体シリコーンという柔らかな素材を貼り付けて、歯茎と顎の骨を保護して痛みの発生を抑える技術『コンフォート』です。また、柔らかくてある程度形が変わる特性を活かして顎の骨の形の変化にも追従します。それでも限界はあります。まずは定期的に歯科を受診してピッタリ合った入れ歯で美味しく食事をとられることをお勧めします。
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