入れ歯が必要と感じる時

虫歯や歯周病などが原因で、一本目の歯を抜いたとします。まだ他の歯が残っているので、しばらくすると他の歯が抜いた仕事を補うようになり、一見かむのに何の不自由もないように思えます。しかし、これは「咀嚼システムのバランスの狂い」が起こっている中でかんでいる状態なので、しばらくすると必ず他の歯に負担が加わります。そして、大きな力が繰り返し加わった歯が犠牲になり、結局抜かなくてはいけなくなってしまいます。これで、二本目の歯が担っていた仕事を、さらにまた他の歯が補うことになるのです。次に大きな力が繰り返し加わった歯がダメになり、また抜歯しなくてはならなくなります。これを繰り返していると、やがてかむことに不自由を感じる時期がきます。人により異なりますが、だいたい4本から6本の歯を失った頃から、かむときに何らかの不自由を感じるようになります。この段階で「何とかしなくては」と感じるようになり、入れ歯の必要性を感じるのです。

歯が抜けると、何かしらの不都合が出てくることは避けられません。目が悪くなったら、メガネやコンタクトレンズを使用したり、怪我をしたら松葉杖に頼らなくてはならないのと同じです。どんなに医療が進歩しても完璧を求めることはできません。求めることは「どれだけ不都合を少なくできるのか」ということです。ではどのようにしたら、この不都合を少なくすることができるのでしょうか?もちろん、歯を抜くことにならないのが一番なのですが、ここで大切なのは一本目の歯を抜いた後です。そのまま放っておくのではなく、ブリッジで修復する、インプラントで修復する、入れ歯を作るなどの方法が考えられます。抜いた歯の周囲がどのようになっているのかをよく考えることが大切です。たとえば、周囲の歯を支える歯槽骨が歯周炎のせいで極端に少なくなってブリッジを支えるには弱りすぎている、また無理にインプラントで修復しても結果はあまりよくなかったなどの場合には、たった一本の欠損でも入れ歯で修復した方がよい場合があります。部分入れ歯の場合には、きちんと入れてかむことにより、残りの歯への負担が軽くなり、残っている自分の歯の寿命も延ばすことができ、その後に歯を抜かなくてはならない確率も減ってきます。またそれはかむ機能を有効に維持させることにもつながっていくのです。

「歯は臓器のひとつ」ともいわれています。お口の中の不調和をなくしバランスのよい状態に保ちましょう。