口腔内の健康を守り・維持する唾液の力

人それぞれに個人差はありますが、唾液は成人(20歳以上)で一日に1.0リットル~1.5リットルくらいの大変な量を分泌しています。

よく知られている役割は【食べ物の消化を助ける】ことです。唾液中にあるアミラーゼという消化酵素が、食べ物のでんぷん質を糖(麦芽糖)に変えて、胃腸の負担を減らし消化を助けます。全てを変えることはできませんが、分解されてできた糖の甘さによって食欲を増進させる効果もあります。食べ物の味も溶かし出すので「噛めば噛むほど味が出る」のもこのためです。
口腔内に残った食べかすを洗い流して分解する【口腔内を掃除し浄化する】洗浄作用もあります。よって唾液が少ないと、この効果も薄れてしまいます。特に睡眠中は唾液の分泌が少なくなりますので、就寝前の歯磨きは忘れずに行いましょう。

また【歯や口腔粘膜を保護する】働きもあります。食べ物を滑らかにしたり、粘り気を出して口の中の粘膜や舌が傷つかないようにしています。歯のエナメル質からカルシウム・リンが出ていくのを防ぎ、歯に沈着して再石灰化する働きで虫歯を防ぎます。口の中には、多くの細菌がいることがわかっていますが、唾液中の物質により細菌の増殖を防ぎます。

ただし唾液中の糖たんぱく質には、ミュータンス菌を歯に付着させる働きがあり、歯垢をつくり歯石にする成分も含まれています。
ほかにも、【発がん性物質も抑える】働きがあるといわれています。唾液には抗菌・殺菌作用があるため発がん性物質を抑制する効果もあると考えられています。

このように、唾液には様々な重要な働きがあります。
よく噛む食事を心がけ、唾液をたくさん出すということは、歯がない方にも同じことが言えます。しっかりと合った入れ歯をご使用し、全身の健康を保ちましょう。